コリンエステラーゼとはコリンエステラーゼはアセチルコリンエステラーゼ(AChE)とブチルコリンエステラーゼ(BuChE)の2種類があります。アセチルコリンエステラーゼは赤血球、筋肉、神経組織などに存在し、運動神経、副交感神経、交感神経の神経伝達物質であるアセチルコリンを酢酸とコリンに分解する働きがあります。ブチルコリンエステラーゼは血清、肝臓、すい臓などに存在し、神経伝達物質アセチルコリンを含むコリンエステル類を分解します。検診や臨床検査でコリンエステラーゼ(ChE)と呼ぶのは、後者のブチルコリンエステラーゼのことです。ChEは肝臓で合成される酵素で血液を循環するので、肝臓の能力の指標になります。ChEの活性の低下は肝臓の合成能力が低下していることを反映しているので、肝機能障害が疑われます。ChEの数値が大きい場合は、肝臓で作られたChEを排泄する腎機能に障害が起こっていることが疑われます。ChEの正常な基準値は、個人差がきわめて大きいのが特徴ですが、同一個人では安定しているので、他人の数値と比較して考えるよりも、過去の測定データなどを参考に判断します。基準値 p-ヒドロキシベンゾイルコリン法 186-490 IU/L農薬や殺虫剤に含まれる有機リンはChEを著しく低下させます。-------------------------------------------------------------------------疑われる病気高値の場合ネフローゼ症候群、脂肪肝、急性肝炎回復期、肝細胞癌、甲状腺機能亢進症、糖尿病、肥満、高リポ蛋白血症、喘息、遺伝性高コリンエステラーゼなど低値の場合慢性肝炎、劇症肝炎、肝硬変、肝膿瘍、肝癌、すい癌、有機リン系中毒、白血病、血清コリンエステラーゼ異常症、妊娠中毒症、消耗性疾患、栄養失調など
索引【C】 分類[血液検査項目] 登録日-2013/01/15 04:23